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昨年末に東京都美術館で開催されていた【展覧会 岡本太郎】

そこで衝撃の椅子に出会いました。

『坐る事を拒否する椅子』〜1963年に発表された作品です。

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岡本太郎は、椅子でありながら精神的にも、肉体的にも、人間と
「対等づら」するこの椅子を作りました。

生活の中の創造的な笑いを含むこの作品に私の心はギュッと掴まれました。

デザインされた大きな目によって、座る人間にゴツゴツとした感覚を与え全く寛がせてくれないというこの椅子。

来場者は少し離れて鑑賞しています…

が、しかし私はガーデンファニチャーを扱う仕事柄、椅子を前にすると座らずにはいられない性分です。いくら椅子に拒否されようとも、周りの人が座ることを躊躇しようとも、とりあえず近くに人が居なくなるのを見計らって座ってみました。


ほうほうほう、なるほど…
確かに、座れなくはないがゴツゴツしてなんだかやっぱり落ち着かない。


『おい人間よ、休んでもいいがくつろぐんじゃねえぞ。』


とお尻から聞こえてきそうな感覚です。笑


世の中の常識や価値観に反逆してきた岡本太郎。

この作品を発表した当時、モダンデザインと呼ばれる機能的で座り心地のいいデザインの椅子が世の中にあふれていました。
『お尻の雛形のような形をしていかにも、さぁ、座ってちょうだいと媚態をつくっているデザインだ』と彼は嫌い、
『何かに向かって進もうとしている奴にはそんな座り心地のいい椅子に落ち着いているようじゃダメだ。ちょっと一時、腰を下ろす切り株のような椅子、その程度じゃないとダメなのだ。』と


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人生は挑み続けなければならない。


彼にとって生活とは、芸術であると同時に闘いです。快適さを求めズルズル生活するのではなく生きがいを持ち、いかに人間らしく生きるか。


素敵です。


でもね…


やっぱりたまにはゆっくり休んでくつろぎたいのですよ、太郎さん。

だって毎日けっこう頑張ってるもん。(←いつも自分で言っちゃう) 

という事で、

大好きな太郎さんとの折り合いを付けるちょうどいい椅子を見つけました。

こちら!!


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       (イギリスのデザイナーGavin Munroさん)


切り株よりちょっと快適そうです。

そして、生命力があります。

こちらは移動できません…。

Gavinさん、なかなかの挑み人で凄いんです!

家具作りの工程を根底から覆すイギリスのミッドランズのある森で、

家具を"育てている"『Full Grown』の家具農場を運営しています。


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https://fullgrown.co.uk/


樹木伐採、環境問題に提唱を鳴らし、家具を理想の形に育てるという。
(↑この形になるまでには樹木もなかなかの矯正を強いられているのだけど…)

家具が完成するまでに、イスは約7〜10年、テーブルは約15年かかるそう。

なんでもすぐに手に入りやすいこの時代に、椅子が育つのを10年待つ…

小学校の入学祝にプレゼントしたら届くのは高1...育ってますね。笑

初めて座らせていただく時の感動もひとしおでしょう。

きっと椅子も

『お待たせっ!』と言ってくれているに違いない。

これぞ対等では。


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※因みに2030年まで予約で埋まっているそうです。(https://fullgrown.co.uk/




家族、権力者、幼児、年寄り、カラス、椅子…

岡本太郎は何に対しても徹底して対等であり尊敬をする



いつか...

そうゆう者に私はなりたい。
(最後は雨ニモマケズ風)


BOX WOOD
Garden Furniture
40


〜40’s memo〜
身近なところから尊敬しよう。
子供達、友達、仕事仲間、植物、ヤクルトさん、
コンビニスイーツを開発してる人...あっ、夫も。